今更だけど、私がこれを取り上げないわけにもいかないので。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100506-00000012-san-soci
涼宮ハルヒの憂鬱という作品は緻密な設定とロケハンに基づいた忠実な描き込み(あとぶっ飛んだ演出)で制作会社の京都アニメーション(以降、京アニ)が一躍脚光を浴びるきっかけとなったアニメ作品です。それ故に京アニの作品はハルヒ以降聖地巡礼の対象として取り上げられることが多いです(京アニ作品以外でも聖地巡礼の対象となった作品は多いです)。
ハルヒ以降の京アニ作品の聖地巡礼
・らき☆すた(埼玉県北葛飾郡鷲宮町(現在の久喜市)、幸手市、春日部市)
・CLANNAD(東京都西多摩郡瑞穂町等)
・けいおん!(滋賀県犬上郡豊郷町)
京アニ作品以外の聖地巡礼の主なもの
・おねがい☆ティーチャー(長野県大町市木崎湖周辺、松本市)
・true tears(富山県南砺市城端地区)
・かんなぎ(宮城県仙台市)
さて、今回問題になったのはハルヒの舞台になった高校に無断侵入しいたずら行為を行ったことですが、劇中にも主人公一行がこの高校に夜侵入して校庭に大きく落書きをするシーンがあります。後々その一連の行為が大きな意味を持つことに劇中ではなるのですが、それを現実にやってしまえば問題になると言うことを認識できていない聖地巡礼客が居たと言うことが大変残念でなりません。また、今年はこのシーンも(間接的にではあるが)含んだ「涼宮ハルヒの消失」という劇場版も上映されたので聖地巡礼客の認識が強くなったと言うこともあるかも知れません。
聖地巡礼対象となった地区の中には、過疎化で苦しんだり商業が奮わなくなった地区が少なからず存在します。そういう地区にとって、訪れる聖地巡礼客の増加は地域振興の絶好の機会になる訳で、現実それで成功している自治体・商工会もあります(らき☆すたの鷲宮町やおねティの木崎湖などは放映終了して時間の経った現在も積極的に関連商品や企画を創出しています)。そう言う場所では地元の人も協力的で少々ルールから逸脱したことも許容させてくれる傾向にあるのも事実です。ただし、今回はそういう聖地巡礼客の地元への馴れ合いの精神が暴走してしまったような気がしてなりません。
私自身、こういう事を危惧していなかったわけではありません。私が先日書いた「らき☆すた」の自転車輪行による聖地巡礼案内同人誌にも、「らき☆すた」劇中で大きなウェイトを占めていた高校のモデルになった春日部市の有名私立高校K高校を敢えて意図的に対象から外しました。学校に迷惑を掛ける不逞の輩が出てくることを懸念した末の結果でした。現在、柊姉妹の自宅のモデルとなった鷲宮神社にはイラストを描いた絵馬(萌絵馬とか痛絵馬とか言われています)が多く吊されています。本来ならこれも逸脱行為です。しかしこれを地元が許容したために、鷲宮神社は聖地巡礼とともに絵馬を見物するために多くのファンがやってくる結果になり、地元はらき☆すた特需がもたらされました。ところが一部のマナー違反の客(個人的には常連なので名前だけは知っている人間ですが)が鷲宮神社以外にもイラスト絵馬を吊していることが発覚しました。これが常態化すると聖地巡礼客=マナーを理解できない危険な外部の人間と受け取られかねません。こういう地元への馴れ合い精神が潜在していた問題を表面化させてしまう危険が十分あるのです。
ハルヒ劇中で北高に落書きをするのは7月7日「全国一斉七夕デー」。この日、今年は水曜日ですが、西宮には聖地巡礼客が夜集まる可能性が非常に大きいです。地元の人に迷惑を掛けないように行動して欲しいと私は心から願っています。
涼宮ハルヒの憂鬱の聖地・西宮で聖地巡礼客(ファン)が問題行動
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